わが家には、ハナという全盲の猫がいます。
けれど、ハナと一緒に暮らしていると、目が見えないことを忘れてしまう瞬間が何度もあります。
名前を呼べば私のところへやってきて、膝の上に乗る。飲み水の場所も分かっている。テーブルにも上がり、あかりと元気いっぱいに遊び、ときには自分でドアまで開けてしまいます。
目が見えなくても、ハナの毎日は驚くほど豊かです。
今日は、そんなハナが「神」と呼ばれる理由をご紹介します。
名前を呼ぶと、私の膝に乗りにくる
私が椅子に座ってハナの名前を呼ぶと、声や足音を頼りに近づいてきます。
そして前足をそっと伸ばし、私の膝がそこにあることを確かめると、迷うことなく体を預けてきます。
目が見えなくても、ハナには私がどこにいるのか分かります。
それは優れた感覚だけではなく、私を信頼してくれているからなのかもしれません。

荒ぶるあかりと、今日も猫プロレス
わが家で一番元気なのが、末っ子のあかりです。
あかりは遊びたくなると、全盲のハナにも容赦なく飛びかかります。
けれど、ハナは逃げてばかりではありません。音や気配であかりの動きを感じ取り、全身を使って堂々と応戦します。
ときには抱え込み、ときには猫キック。
目が見えるかどうかなど、二匹のプロレスには関係ないようです。

プロレスのあとは、仲良く並んで
激しく遊んだあとは、二匹で仲良く並び、庭のほうを眺めます。
ハナに外の景色は見えません。
けれど、鳥の声や外猫の足音、風に運ばれてくる匂いを、あかりの隣で静かに感じています。
見えている世界は違っても、二匹が一緒に過ごす時間に違いはありません。

そしてハナは、自分でドアを開ける
ハナの神がかった能力を象徴するのが、ドアを自分で開けることです。
後ろ足で立ち上がり、前足を伸ばしてドアノブの位置を正確に捉えます。
そして、レバーを下へ押しながらドアを開けてしまうのです。
たまたま触れたわけではありません。ハナは、この場所にドアノブがあり、どう動かせばドアが開くのかを知っています。
全盲のハナが、いったいどのようにして覚えたのか。
何度見ても驚かされます。

目が見えなくても、家の中はハナの世界
ハナは、飲み水の場所をきちんと覚えています。
家の中を迷わず歩き、私の膝だけでなく、テーブルにも自分で上がります。
目が見えなくても、音や匂い、ひげや肉球に伝わる感覚を使って、頭の中に家の地図を描いているのでしょう。
暮らしやすいように家具の配置を頻繁に変えないことや、危険な場所に近づけないことなど、家族による配慮は必要です。
けれどハナは、自分の持っている力を使い、私たちが想像していた以上に自由に、たくましく暮らしています。

安心と幸せを蓄え、ふっくらしました
外で暮らしていたころのハナは、今よりも細く、いつも気を張っているように見えました。
それが今では、ご覧のとおりです。
安心して眠り、ご飯を食べ、あかりと遊び、ときには自分でドアまで開ける。
少し――いや、かなりふっくらしました。
これはきっと、安心と幸せを全身に蓄えた結果……ということにしておきましょう。
全盲の猫を、里親候補から外さないでほしい
全盲の猫を家族に迎えることに、不安を感じる方もいると思います。
もちろん、その子の状態に合わせて安全な環境を整え、必要な配慮をすることは大切です。
けれど、目が見えないというだけで、その子を里親候補から外さないでほしいのです。
ハナを見てください。
名前を呼べば近づいてきて、膝に乗る。水の場所を覚え、テーブルにも上がる。あかりと元気に遊び、仲良く並んで外の気配を楽しむ。そして、自分でドアまで開けてしまいます。トイレですら、これまで一度も失敗したことがないのです。
目が見えなくても、猫は自分の力で環境に適応し、こんなにも豊かに暮らすことができます。
もし、里親を待っている猫の中に目の見えない子がいたら、障害だけを見るのではなく、その子自身を見てください。
ご自身の生活環境で安全に迎えられるのであれば、ぜひ積極的に家族として迎えることを考えていただきたいと思います。
その子はきっと、与えられた愛情以上の幸せを、家族に返してくれるはずです。
ハナが、毎日それを教えてくれています。
やっぱり、ハナは神なのです。

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